Uターン鍛冶職人がつくるフライパンが話題!【日本の手仕事~鍛冶工房 弘光展~】12月9日(水)から開催!
近年、移住先としての人気が高まっている島根県では、2019年度に3700人の移住者を受け入れました。その人気の要因としては、「子育てのしやすさ」(合計特殊出生率 全国2位・保育所数/10万人あたり 全国2位)、「働きやすさ」(平均帰宅時間の早さ 全国2位)、「暮らしやすさ」(スーパーマーケット店舗数 全国1位)などが挙げられます。島根県は、観光地としてだけでなく、移住先としての魅力をより多くの方々に知っていただくべく、多様な情報発信に努めています。
今回はそんな移住者の中から、江戸時代から出雲鍛造の伝統を継承し続ける「鍛冶工房 弘光」が12月9日(水)より日本橋高島屋S.C.にて【日本の手仕事~鍛冶工房弘光展~】に出展する、Uターンで移住した鍛治職人、小藤宗相氏の作るフライパン製作についてのお話をご紹介します。
島根県奥出雲地方に伝わる伝統的な製鉄技術「たたら製鉄」は、もののけ姫にも出てきたあの「たたら場」の舞台のモデルになったとも言われている「菅谷(すがや)たたら」が残っている地です。たたら製鉄によって江戸時代初期にその原型が完成したと言われ、かつては日本の鉄の8割がこの技法によって製造されていたそう。今回ご紹介する、雲州弘光 現「鍛冶工房 弘光」は江戸時代のたたら操業からはじまり、打刃物、小農器具、生活用具そして刀剣鍛錬の鍛冶業を受け継ぐ一方、日本刀に使われる鋼として優れた品質を誇る玉鋼(たまはがね)、和鉄、鉄による工芸品の制作に取り組み、出雲の鉄文明・技術を現代に継承しています。
- Uターン鍛冶職人 小藤宗相氏がつくる『みんながちょっとずつしあわせになるフライパン』
現在、全国から注文が殺到し、納品半年待ちという大人気プロダクト『みんながちょっとずつしあわせになるフライパン』。”その誕生秘話と込められた想い”を小藤氏にききました――――
コロナ逆境が生んだ“鍛冶屋のフライパン“ 刀や燭台のノウハウを応用、鍛えた肌は月面のよう
“物産展・展示会の相次ぐ中止でコロナ禍の逆境に立たされたこの春、以前からの「フライパンをつくってほしい」という知人の依頼に背中を押され、フライパンの制作に取り組みました。初の試みでしたが、フライパンの柄は、刀の鍔を鍛える際の持ち手だった柄を、フライパンのパン部分は燭台の台座をつくる技術を応用したため、最初の試作品はあっという間に形になりました。
このフライパンは鍛冶屋の技術が詰め込まれていて、市販の量産モデルとは違った機能性・つくり・風合い・肌感があります。出来たばかりのパンの肌は「お月さんみたい」ともいわれます。機械プレスや鋳造による成形ではなく、鍛えて出てきたパン肌はまるで月面のような神秘さを放ちます。
また、柄とパンをつなぐ「みつがしめ」という技法も、鍛冶屋の技。現在、新たにオーブン・グリルでの調理や流行りのソロキャンプでの調理にも使い勝手の良い、一回り小さいサイズのものも制作しており、こちらも好評です”
島根クラフトマンの粋、オリジナルセット「みんながちょっとずつしあわせになるフライパン」 に結実
“フライパンの完成後、鍋敷きや手入れ用たわしがあれば便利だなと思い、それらをフライパンとセットで販売することを思いつきました。そこで、同様にコロナ禍で逆境に立たされた職人仲間たちに依頼し、この鍛冶屋のフライパンとセットになるプロダクト、組子・木工の鍋敷き、革のフック、手入れ用たわし、そしてセットを包む石州和紙のバッグもそれぞれが持つ技術を集めて制作しました。
このフライパンセットは、まずそれぞれの“つくり手”が新たな仕事を得て“ちょっとしあわせ”になる。そして買ってくれた人、その家族などの“使い手”が、このフライパンで調理した料理でおいしさ・楽しさを感じる、“ちょっとしあわせ”になる……ということで、「みんながちょっとずつしあわせになるフライパン」と名付けました。”
島根の“距離“と目に見えないものが“つながり”を生む幸せ
コロナ禍、ソーシャルディスタンスによって物理的な距離がさらに大きくなったからいまだからこそ、人とのつながりやそのあたたかみを感じるモノ・コトに注目が集まっています。たとえば、このフライパンセットひとつをとっても、スーパーや量販店で売っている量産品をあえて選ばず、はるか遠い、まだ訪れたことのない山間の鍛冶屋でつくられたものを選んでくれる人がいる。きっと、こうした人は“いま見えている世界じゃない、そこにない価値“を実感しているのでしょう。そこには、手仕事のよさ、関わる人たちの想い・温もり・優しさなどを共有したいという想いがあるのだと思います。
心の距離を縮めてくれる役を担う島根、島根のプロダクトを手にして実感してほしい
島根のような「都会から遠い地」の職人たちが生み出す焼き物や織物、食べ物といったプロダクトのほか、人柄や景色といった無形の価値こそが、いま人々の心の距離を縮めてくれるものだと思います。大量生産の時代が終わったいま、あらためて島根の魅力を知ってもらえればと思います。
- 出展情報
名 称 :日本の手仕事~鍛冶工房弘光展~
日 程 :12月9日(水)~12月15日(火)
会 場 :日本橋高島屋S.C. 本館7階(〒103-8265 東京都中央区日本橋2-4-1)
- 『鍛冶工房 弘光』
雲州弘光 現「鍛冶工房 弘光」は江戸時代のたたら操業からはじまり、打刃物、小農器具、生活用具そして刀剣鍛錬の鍛冶業を受け継ぐ一方、玉鋼、和鉄、鉄による工芸品の制作に取り組み、出雲の鉄文明・技術を現代に継承しています。日本刀鍛錬の技を生かした日本古来のあかり器具と暮らしに美と用のしつらえを提案する弘光ならではの創作鍛造工芸をこの機会にぜひ体感してください。
島根県への移住・定住の総合相談窓口―――『ふるさと島根定住財団』https://www.teiju.or.jp/
しまねUIターン総合サイト―――『くらしまねっと』https://www.kurashimanet.jp/
島根の伝統技術を支える作家5人を紹介―――『シマネRプロダクト』http://shimane-r-product.com/
鍛冶工房 弘光――― https://kaji-hiromitsu.com/
⇒Uターン鍛冶職人 小藤宗相氏のインタビューはこちら!――https://prtimes.jp/a/?f=d71012-20201208-3000.pdf