【インタビュー】マンガ家wakoさん

  1. エンタメ

シュールなマンガ家wako

©wako

とてもシュールな、4コマ マンガ「サチコと神ねこ様」を描いているマンガ家wakoさんとは、どういう人物なんだろう?キャラクターの「神ねこ」に似ているのか、または「サチコ」の雰囲気を醸し出しているのか。お会いしてみたら、なんともチャーミングで明朗快活、とてもクレバーで話の展開が速く面白い!そんなwakoさんとの話をまとめてみました。

プロフィール
wako
千葉県九十九里浜沿い出身。
女性向けニュースサイト「Pouch」で「サチコと神ねこ様」などを連載中。

3本の連載

「Webの女性向けニュースサイトサイト『Pouch』に、『サチコと神ねこ様』を5年ぐらい連載させて頂いています。それに派生した作品、コーヒーを科学的に扱った内容を題材にしたマンガ、『木下くんとクロ』という作品と、2チャンネルの元管理人、ひろゆきさんの奥様が書いているエッセイの作画も連載させて頂いています。実はもう一本、保育士さんの業界紙でのエッセイを書いていたのですが、先日最終回の原稿が上がりまして、今はやっと連載3本に落ち着きました(笑)。3本でも大変ですが、今はやっと慣れて来ました(笑)。」

サチコと神ねこ様

「祥伝社の女性向けのフィールコミックスから販売しています。実は最初はKADOKAWAから1冊出版していたのですが、続刊はありませんでした。Pouchの担当者が継続してコミックス化したいと、私の知らない所で頑張ってくれまして。祥伝社の担当者とうまく意気投合してくれて、3巻までトントン拍子に出版して頂きました。オールフルカラーで、販も大きめに作ってもらい非常に努力して頂き、大変有難かったです。

女性向けのコミックスですが、私のツイッターのフォローワーは男性、女性ほぼ半々です。先日、秋葉原でサイン会があったのですが、男性の方が非常に多く来て頂いて、主人公のサチコが男性にも人気があったんだと、ちょっと安心しました(笑)。

『サチコと神ねこ様』は、子供が生後2ヶ月の時に書き始めました。子供がお昼寝している時に描けるマンガが良い、そうなると4コマが良いかなと。マンガを描くためにGぺんやカッター等たくさん使うため、赤ちゃんが触れると危ないので、思い切ってデジタル作品に移行しました。」

twitterでの連載

「新聞の連載は、完成度や、ネタの鋭さ、クオリティーの高さが求められます。責任も非常に重いですし、毎日マンガを描ける人は凄いと思います(笑)。私は息子が熱出したら、普通にお休みします(笑)。気軽さがtwitter連載の良さでもあります。

私のtwitterフォローワーが3万人いるのですが、皆さん優しくて、何かあった時にも理解を示してくれる人が多いのです。誤字脱字にも優しく厳しく、息子の病気の時も気にかけてくれて「無理しなくていいですよ〜」と(笑)。私にストレスがかかっている時には、「休んでいいですよ〜」と、言ってくださいます。非常に助けられています。気軽に発言できるWebの良さですよね。

担当編集者も付けていないので、好きにのびのびと描かさせて頂いています。毎日新鮮なネタでお届けしております(笑)。作品内の言葉に対して、鋭さが過ぎると言われたりする事もあるのですが、twitterを10年ぐらい続けているので、そこで覚えてきた自分なりの感度もありますので、何かあっても大丈夫かな、と思って描いています。

twitterのフォローしている人は厳選しています。信用している人、デマを流さない人、人を傷つける書き方しない人、不満等があっても言い方がわきまえられている人、思っていてもきちんと言葉でぼかせる人。こういう人達が今、何の話をしているのかを観察するようにしています。すると、みんなが今、気になっている事例が見えてきます。話の流れの中で、結論が出た事、出なかった事など、うまく抽出して作品に生かすようにしています。」

マンガ大賞ノミネート

「今年のマンガ大賞1次予選にノミネートされました。自分のマンガが選んでもらえるとは全く思っていなかったので、喜んでテンション高くツイートしたのですが、周りの反応は大したことなく(笑)。その後に、凄く恥ずかしくなったのですが(笑)。でも自分の作品をちゃんと読んでくれて、評価してくれる人達がいたのは、凄く嬉しかったです。

神様に与えられた、ほどほどのラッキーが自分に合っています。私はこの立ち位置で細く長くやっていきたいです。注目されると怖くなってしまうし、描けるものも描けなくなるので、のびのびとこの立ち位置でやらせて!と(笑)。多くの人に期待される土俵は、私には向いていないので(笑)。もしコミックスが売れてしまってお金がたくさん入ったら、私の場合かなりの浪費をしてしまいます(笑)。」

政治ネタ

「政治ネタでは、与党や野党の批判みたいな事はやりたくないです。どの立場の人も読んでもらい、笑えなければいけないと思っています。みんなの共通したテーマを探して、その中から本質的な部分を抽出して、それを主人公の女性がどう思うか、そこにネタを重ねて作品を仕上げるようにしています。

政治批判をする事は、簡単ですが、政治的問題は複雑ですし、いろいろな要素が含まれてくると思います。その中で、本質的な部分をピックアップして、そこを分かり易く伝えるだけなら、4コママンガで出来ますし、共感を呼べます。でも扇動にならないように気を付けていますし、みんなの思っている事を述べるような形にしてバランスを取る事は気を付けています。マンガの世界は単純でピュアが良いですよね。マンガはそういう力があるので楽しいです。

一番大切にしている事は、本質的に、仲良くなりたいとか、身を守りたいとか、幸せになりたいとか、いろいろとベクトルを変えてキャラクターに投影する形にして描いています。」

出版業界

「販売部数が極端に落ちている状況で、電子書籍は盛り上がってきていますよね。現状では過渡期だと思うのですが、今後は紙の本を持つことにもっと価値が広がってくると思います。私は、好きな作家や応援している作家さんの作品は、紙の本で買うようにして、資料に使うものは本棚に入りきらなくなるので、電子書籍で買うようにしています。物を持たない置かないような時代になって来ていますので。出版は、紙の質、装幀により拘ったものになってくるかと。紙の再生紙の環境問題もありますし、返品等のリサイクルの状況も今後は変わってくるかもしれません。

日本の本は、装丁の質が高いし紙質も非常に良いので、一生持っていても大丈夫ですよね。リサイクルの質も上がれば廉価版ももっと良くなりますし、高価本も売れるとも思います。読み手のニーズによって、より細分化されて来ると思います。」

漫画家の一日

「朝の10時から作業開始、夜の6時にちゃんと作業を終わって、1日のタイムスケジュールを会社員のように組んでいる作家もいます。

私の場合は、朝やる気が出るまで時間がかかる〜。時事ネタも扱っているので、世間の空気、ネットの空気が違うので、朝のニュースもしっかり見ますし、面白いとずっと観てしまいます(笑)。そろそろ仕事をやろうかと思うと、お腹が空いて来る時間で(笑)。お菓子の時間にしてしまい、ゆっくりコーヒーを入れる(笑)。そろそろ仕事しなければと思いつつ。。今日は3本原稿描かないといけないと気付くわけで。。頑張って本気で仕上げる。子供のお迎えに行く。そんな感じで1日が終わっていきます(笑)。締め切り間近の場合は、カフェで作業するようにしています。いわゆるノマドです(笑)。いやーデジタル化していて良かった(笑)。」

@wako

 

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@wako

 
 

@wako

wakoさんとの会話は、時間を忘れるほど話が弾み、質問にもしっかりと答えて頂きました。今後は、「連載しているものは頑張って継続していけたら。」との事。10巻、20巻さらにもっと期待していますよ!またキャラクターの「神ねこ」を使用したコラボ企画も考え中との事。楽しみにしています。

 

 

Mr.Kosei

スポーツをこよなく愛す、謎の格闘家。歌って喋れて戦える、をモットーに日々精進して生活しています。

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