妥協しない究極の成吉思汗(ジンギスカン)が味わえる名店『炭焼き成吉思汗 いし田』(群馬:高崎)

  1. ライフスタイル

究極の成吉思汗(ジンギスカン)

北海道士別しずお農場の国産サフォーク ©BONUR

ラム肉は必須アミノ酸やビタミンなど健康効果が高いため、ヘルシー志向の人やダイエッターなど特に女性に人気の食材だが、一方で日本ではラム肉の匂いが気になるという人もまだまだ多い。

さて、ラム肉が苦手という人も、好きという人も区別なく、とにかくこのラム肉を一度食べてほしい店がある。ここのラム肉を食べればこれまでのラム肉の固定概念が覆るはずだ。こだわり抜いた新鮮な生のラム肉を味うことのできる店は全国でも数少ない。

炭焼き成吉思汗 いし田  ©BONUR

高崎駅から徒歩10分、高崎市中紺屋町に位置する南北430mからなる高崎中央銀座商店街は、映画やテレビドラマのロケ地としてたびたび登場する、どこか懐かしい空気の流れる歴史ある商店街だ。この商店街の一角に『炭焼き成吉思汗 いし田』がある。白いのれんが目印。成吉思汗(ジンギスカン)専門店で高崎では知らない人はいないといわれる名店だ。

のれんをくぐると、L字に伸びるカウンターのみの落ち着いた店内には、備長炭でレア状態に焼き上げる新鮮な生ラム肉の焼ける香ばしい香りが漂い、食欲を一気にそそる。

今回、「いし田」オーナーの笠原憲吾氏にインタビューさせていただいた。

鮮度へのこだわり

「常にお料理を美味しくご提供するために、まずは食材の鮮度に対して徹底的にこだわっています。お肉はもちろん、野菜は季節の旬ものを使用するなど、ここには一切、手を抜きません。」

オーナーの笠原憲吾氏  自ら厳選した生ラム肉は、これまでのラム肉のイメージを覆す極上の味わいだ。©BONUR

いし田で提供するラム肉は、ニュージーランド産のほか、数量限定で北海道士別産サフォークを使っているが、その肉選びには店主のラム肉への熱い思いとこだわりが詰まっている。

ニュージーランド産ラム肉、こだわりの理由

第一に、なんといっても「肉質」です。生後4~6ヶ月で出荷され、とにかく柔らかくクセがない。このクセがないというのが重要で、ラム肉は世界的に1番食べられている肉といわれながら、日本人にはまだまだ抵抗感を持たれてる方も多いです。臭くてかたいなどの概念を変えて好きになってもらうためには、この産地のお肉が最適だと考えています。」

第二に、品質と安全性。南半球のオセアニア州に位置するニュージーランドは、隔離された島国であるため、羊を様々な病気や伝染病などから守ってくれます。年間を通して比較的気候も穏やかなので、1年中羊の放牧を可能にしています。雨も適度に降るので隣のオーストラリアのような干ばつの心配も無く、ラムがすくすくと育つ理想的な環境です。柵などによって囲って管理するフィードロッド飼育もしておりませんし、補助飼料や添加物も与えておらず、放牧中、全て無農薬の牧草を食べて育っています。」

「食肉の管理もニュージーランドは、中央政府によって食品検査システムが統括的にシステム管理されているんです。屠殺前後の家畜の検査、屠殺や精肉工場の設備の管理、機材の衛生確認、屠殺、国内外の運送まで、すべてが厳しい管理体制の下に行われており、業者による利益重視の無理な供給等は一切ないので消費者にとっても安心です。肉質と味、品質と安全性、これがニュージーランド産にこだわる理由です。」

©BONUR

北海道士別産サフォーク

「お客さまの最高級の羊肉を食べたいというご要望にお応えするために、究極の純血サフォークを育てる牧場しずお農場」と取引を始めました。」

日本国内で消費されている羊肉の99%以上は海外からの輸入羊肉。国産の羊肉はとても限られた数しか流通していない大変貴重なもの。サフォークとは、羊の種類で顔と四肢が黒い羊のことです。

北海道士別市にある「かわにしの丘 しずお農場」は276ヘクタールもの広い敷地で良質な土質、水質に育まれた牧草地で羊を育てていて、全国の有名シェフがこぞってその羊肉を求め通う農場です。

「数ある国産の羊肉の中でもトップクラスの肉質だと思います。その中でもさらに純血サフォークは国内に流通している羊1000頭のうち2.5頭しかいない幻の羊と呼ばれています。そんな希少で素晴らしい肉質のサフォークを時期によって違う月齢のものを召し上がっていただきます。」

少し話がそれるが、羊肉は月齢によって呼び名が変わることをご存じだろうか?

ラム (生後12ヶ月未満)

ホゲット (生後12ヶ月~24ヶ月未満)

マトン (生後24ヶ月以上)

月齢ごとにそれぞれの旨みが違うというから、羊肉はなかなか奥深い。

サフォークの話に戻ろう。いし田ではサフォークの「レバー」が数量限定で入荷する。新鮮で激レアなサフォークのレバーを食べることのできる機会はそうそうあるものではない。もし出会うことができたらラッキーだ。

ラムの生ハム ©BONUR

「いまの当店のウリは新鮮で美味しい羊肉と、地場で収穫されたこだわりの野菜だと自負しています。」

 野菜へのこだわり

店主のこだわり愛は、羊肉だけにとどまらない。

「以前はというと、焼肉屋さんやステーキ屋さんなどで美味しい野菜にあまり出会った事がなく、数年前までは自分の中でもあくまで野菜は脇役の位置づけでした。

そんな時ある店ですごく美味しいサラダを食べて思わず仕入れ先を聞き紹介してもらったのが現在の八百屋です。基本、市場には流通しない、こだわり農家の素晴らしい野菜たちを取り揃えていました。この出会いこそ、自分が「何か足りない」と思っていたピースが埋まった瞬間でした。」

旬の野菜は一期一会 トウモロコシも絶品でした ©BONUR

「ラム肉も野菜も質と鮮度が命。肉にだけこだわっていた自分が、野菜にも同じ情熱を傾ける事が出来るようになりました。

農家へ足を運んで生産者の方々と色々なお話をさせてもらっています。こだわりや想いを聞いたり、自分の要望を伝えたり。とにかくこの素晴らしい野菜たちをたくさんの人に知ってもらう事が1番の貢献だと考えてますので、農家さんにはどこよりも売るから1番美味しいものを出して欲しいといつもお願いしてます。笑」

見るからに新鮮で元気な野菜たち、肉にも負けない愛情を注がれた野菜の味も想像するだけでワクワク感が増幅する。

「今ではTVにも取り上げられた高崎市倉渕の塚越キノコ園の「極みしいたけ」や、藤岡市のアスパラハウス中里農園の「王様アスパラ」などは当店が全国一の取り扱い量となっています!」

塚越農園 極みしいたけ ©BONUR

渡辺農園 奇跡の水なす©BONUR

 

実は、いし田のウリはこれで終わらない。

常連は口を揃えて、「カレーを食べないと、いし田の本当の凄さはわからないよ。」という。

ジンギスカン屋でカレーですか??

ラムのスパイスカレー ©BONUR

「もともとこのお店を始める前はスパイスカレーのお店を開こうと思ってました。

いろんなカレー屋を食べ歩き、自分でスパイスやレシピの研究を重ねて自分なりのスパイスカレーの骨格が出来、これならカレーでも勝負出来るんじゃないかと思うと同時に、毎日100食以上のカレーを作っていたら自分がカレーを食べたくなくなってしまうのでは?!という恐怖心にも駆られました。笑」

「趣味でとどめておこう。笑 そう決めてジンギスカン屋さんをやることにしました。」

オーナーの笑顔が「カレー愛」を物語っている。

「お店も軌道に乗り、常連のお客さまも増えてきた頃、たまたまスタッフで食べるスパイスカレーを常連さんにお出ししたら、売ってくれ!と言われて。そのほかのお客様にも大変好評を得たのでお店の名物メニューにラム肉のカレーをおこうと再度レシピを研究した結果誕生したのが、現在のラムのスパイスカレーです。」

テーマは自分が食べる趣味。趣味なのでコストは度外視です。笑

水は一切使わず、お店でジンギスカンに使う良いラム肉、良い野菜、良い果物、そしてワインにスパイス。ケチらず贅沢に使います。不味いわけがありません。笑」

味の特徴は果物の甘み、トマトやチャツネ、ワインの酸味、そしてスパイスの鮮烈な辛みが段階的に押し寄せる。そんな贅沢カレーはラインナップを増やし、ラムのキーマビンダルーやオマール海老のスパイスカレーなど幅を広げ、それぞれに熱烈なファンを獲得している。

「お客さまからはカレー屋出してよ!とありがたいことによく仰っていただくのですが、今のスタイルだから美味しいカレーを作る情熱を保ててますとお返ししてます。本当は100食作りたくないだけなんですけどね。笑」


カウンター越しに、備長炭に滴る肉汁から、もくもくと沸き立つ香ばしい煙の向こうに、新鮮さがわかる鮮やかな生のラム肉が、ジュジュウと音を立ててみるみるいい色に焦げを作りながら焼きあがっていく。

この塊、、、食べてみるべしです。

©BONUR

特製の熟成タレorクミン塩タレに浸けたら旨いのは承知、ぜひ、備長炭で少し炙ったくらいのレアの状態で一口そのまま味わって欲しい。

いし田のラム肉を口に入れた瞬間、日頃のストレスから解放され至福の時間がやってくる。もう北海道に行く必要はない。

ぜひお店まで足を伸ばし、店主の情熱と共に究極のラム肉を味わって欲しい。


炭焼き成吉思汗 いし田 (いしだ)
群馬県高崎市中紺屋町23-1
TEL:090-8518-5577
営業時間 17:00~23:00(ラストオーダー22:30)

 

 

 

chaboo

楽しいことが大好きなアラフィフおやじ。
クルマとファッションへの愛は深い。
夏は毎週、丘サーファー(^^:;)として海に出かけ、冬はスキーヤーとして活動する。2児の父。

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