【インタビュー】闘う管理栄養士・女子プロボクサー岸百合恵さん

  1. ライフスタイル

岸百合恵(きし ゆりえ) プロフィール

管理栄養士
日本糖尿病療養指導士
健康運動指導士
プロボクサー
病院食業務や、企業での特定保健指導を経て、生活習慣病診察を専門とするクリニックにおいて5年間栄養指導を実施。現在はスポーツ・睡眠歯科分野の診察を行う歯科医院でアスリートに対するサポート、またボディメイクや健康管理のため、プロボクサーとしてボクシングのパーソナルトレーニングを開設。
2017年プロテスト合格
竹原&畑山ジムに所属

 

コロナ禍で

「現在は府中市にある『ぶばいオハナ歯科』で管理栄養士として、一般の患者やアスリート向けに、お食事のアドバイスをさせて頂いています。もう一つの職場は、江戸川橋にある糖尿病のクリニック『春日メディカルクリニック』の患者様にも、栄養指導をさせて頂いています。

コロナ禍の影響で、ボクシングジムも営業していなく練習が出来ない状況が続きました。試合も3月に予定されていたのですが、延期となってしまいました。自分で練習を考え、自宅でトレーニングを重ねなければいけない状況でした。そんな状況でしたが、トレーニングのモチベーションも落ちるわけでなく、じっくり練習出来る時間が増えたと、とらえるようにしていました。

自宅で行う筋トレとかは、以前はあまり好きでなかったのですが、そんな事を言っている状況ではないので、amazonで自宅トレーニング出来るグッズを購入して、今でも継続して使用しています(笑)。公園や河原で、場所を見つけてとにかくシャドーボクシングのトレーニング等やってました(笑)。有酸素系と肺活量を鍛えるトレーニングは、近所の神社の階段を登ったりしていました。普段、近所でも行ったことのない所にも足を運び、こんな所にも坂があるんだ、みたいな新たな発見も出来て良い期間だったと思っています。

コロナの影響でこの時期しか出来ない事、ジムでは出来ない事を積み重ねる時間となりました。家で行う筋トレとかは嫌いだったのですが、行なってみると集中する事が出来て、十分充実した期間だったので良かったと思っています。」

ボクシングとの出会い

「学生から社会人となり日々の仕事をこなしていく中で、お酒を飲み過ぎてしまい太っていた時期がありました(笑)。ダイエット目的もあるのですが、健康運動指導士という資格を取得しようと思っていました。バイオメカニズムについての講義があるのですが、その中で、ボクシングのパンチを打つ身体の回転のメカニズムについて話しをしてくれた先生がいました。その話の内容が非常に面白く興味深かったので、いきなりボクシングをやりたいという衝動にかられ、講義が終わったすぐにWEBでボクシングを検索して、一番上にヒットしたジムに連絡してすぐに入会しました(笑)。

そのジムはプロの養成ジムでなく、ボクシングを使ったフィトネスジムで基本的な動作を教えてもらいました。最初にサンドバッグを叩いた時には、びっくりするくらいめちゃくちゃ背中が筋肉痛になりました(笑)。しかも、トレーニングを続けるとびっくりするくらい痩せましたよ(笑)。」

魅力

「駅を降りてジムまでの道のりの間に、今日の練習する事を確認し精神を集中し、『お願いします』とジムのドアを開けて入っていきます。もう臨戦態勢ですね(笑)。

人との殴り合う事で女子には野蛮なスポーツに思われがちですが、身体を使ったテクニックやパンチの出すタイミング、また相手との駆け引きだったり、それを2本の腕だけで闘うことがすごく魅力だと思います。緻密な計算の中で行われるスポーツで、相手がこの様に攻撃してきたら、この様なコンビネーションで返していく、その様な事をシャドーボクシングで繰り返し確認し、サンドバッグ、ミットで実際に叩き、実戦で使える様になるまで時間をかけて練習を積み重ねていきます。」

デビュー戦

「アマチュア時代には1stBox(注1)というスパーリングの大会に出場していたのですが、心の持ち方がプロの試合とは違いますね(笑)。2019年11月に後楽園ホールでデビュー戦があったのですが、意外とそんなに緊張しませんでした(笑)。対戦相手が1stBoxで戦っていて、しかも2回戦って1勝1敗で(笑)。3戦目がプロのリングということもあり、自分としては出来ることが決まっていたので、腹を括って試合に臨みました。

いろいろな人が応援に駆けつけてくれて、やるしかない、という気持ちで気が高ぶっているかなと思いましたが、不思議とセコンドの声ははっきりと聞こえました。後で振り返ってみると、不思議な感覚でしたね。応援に来てくれた人の顔も良く見えましたし、ホッとした気持ちもありましたし、しっかり見ててね、という意気込みで臨めました。応援していただけると、とても心強かったですね。」

(注1)『観る』から『始める』ボクシング。出場資格は、プロ加盟ジム所属の高校生から50歳までの練習生を対象。

仕事との両立

「仕事に関しては正社員ではないので、お給料の面でも厳しいなと思うこともあります。仕事の面でも練習での疲労との戦いもあるので、ここまで仕事をやりたい、という思いがありますが、実際にやりきれていない部分もありますので、職場の方々には大変申し訳ないなと感じています。

贅沢せずに、しっかりとした目的を持って、1日1日をしっかり生きていかないと(笑)。いろいろな事を割切りながらやっていかないといけないのかなと思っています。1日24時間では足りないですね(笑)。時間はみんな平等ですから、出来ないのは自分が悪いと(笑)。

そいうことを含めて仕事も練習も楽しいから出来ているんですけど(笑)。生きてるなー、頑張っているなーと実感しながら。」

今後は

「ボクシングスタイルはアウトボクサーなのですが、気持ちは生粋のインファイターです。前にどんどん気持ちでいってしまうので、トレーナーには、気持ちを抑えろ抑えろ、とよく言われています(笑)。脚のステップを使って相手との距離を作るタイプなのですが。

次はミニフライ級で試合やります。10月12日には延期になっていた次の試合が組まれています。今はそれに向けて練習をしています。絶対に勝つことだけを考えて練習しています。プロの場合、チケットを購入して観戦に来てくれますので、とても責任を感じます。見に来てくれた人のためにも勝利を届けたいですね。是非、応援してください!

また、ジムの仲間と新しいビジネスとして『オンラインサロン Diet Village』を立ち上げました。ファンがアスリートをプロデュースするダイエットサロンです。興味のある方は、是非、ホームページをご覧ください。」

Diet Village HP    https://diet-village.com/

 

Mr.Kosei

スポーツをこよなく愛す、謎の格闘家。歌って喋れて戦える、をモットーに日々精進して生活しています。

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