「ファスティング」
ファスティングとは「断食」のことで、最近テレビや雑誌などで取り上げられたり、芸能人や一流アスリートでも取り組む人が増えたことで急速に広がってきている健康法です。
ファスティングすると、「脳内が変わる」。そう語ってくれたのは、自身のYoutubeチャンネル登録者数約7万人を抱える管理栄養士でファスティングマイスターの圓尾和紀さん。
圓尾さんはもともと総合病院の患者の方々へ栄養指導を実践してきた管理栄養士。以前は「1日3食必ず、食べなければ」という強迫観念があったそうで、ファスティング には全く興味がなかったそうです。
しかし、「脳が蘇る断食力」という本に出会いファスティングに目覚め、ついにはファスティングマイスターの資格を取得。今では、多くの方にファスティングの指導をしています。
圓尾和紀さんに「圓尾式ミネラルファスティング」についてお聞きしました。
―なぜ、ファスティングをするとカラダによいのでしょうか?
これを理解するためには体内の「酵素」について知る必要があります。人間の体の中には、「消化酵素」と「代謝酵素」という2種類の酵素が働いています。そして、この消化酵素と代謝酵素を合わせた数は決まっており、体内でどちらかを使いすぎるともう片方が足りなくなるということが起きてしまいます。
現代人は食事を摂りすぎたり、消化に負担のかかるものを多く食べているため、消化酵素を浪費する傾向にあります。そうなると、代謝酵素が足りなくなってしまうのです。 代謝は大切な働きで、細胞の新陳代謝や体内の糖質や脂肪を燃やしてエネルギーを作り出したり、いらなくなったものを排泄するなどの働きを持っています。代謝酵素が減ってしまうとこれらの働きが低下するため、老化や疲労感、そして病気をも招きやすくなってしまうのです。
ファスティングは、一定期間、食べ物を断つことにより消化酵素を休め、代謝酵素に思う存分、仕事をしてもらうことができます。これにより、普段滞っていた代謝活動が活発化し、体調がよくなるというわけです。
―食べないで健康になる、ファスティングはカラダにどのようなことを起こすのですか?
ファスティングするとカラダとココロの両方がかわります。
カラダの方ですと、体重がちゃんと落ちますからダイエット効果も期待できます。
それよりも、やはり、体質改善!疲れやすい体質やアレルギーの体質を改善したい方、つまり、カラダを根本から変えたい方が定期的に実践されています。
ファスティングという断食は、基本的に「食べないこと」ですからハードルが高いですよね。ダイエットをしたいなら、他にもいろいろな方法がありますので、ファスティングで痩せよう、と思う方は少ないかもしれません。それよりも、多くの方が「痩せたらうれしいけれどカラダを変えたい!」という方が実践されています。
ココロは明らかに変わります。脳が変わった、という実感が得られます。最近の研究でわかったことがあるのですが、ファスティング中に緊張やストレスを和らげ、脳をリラックスさせるα波という脳波が増えます。ココロが落ち着き、安心して物事に取り組め、ぐっすり眠れるようになるので頭のキレがよくなります。
―圓尾さんは定期的にファスティングをやってらっしゃいますよね?
僕は季節ごとに年に4回やります。個人的にはココロの効果を期待して実践しています。ファスティング明けはもうとにかく調子が良い!!
全然、疲れませんし仕事もサクサクどんどん進む。いろんなアイディアが浮かんできます。人に対しても優しくなれます!
ファスティングによって細胞は新しく生まれ変わりますが、まるで、それに呼応するかのように心機一転、心も新鮮な状態になります。ファスティングをするとカラダやココロに様々な効果がありますが、僕が一番気に入っているのはこのココロ(脳)の効果。これを体験したくてやっています。
5年以上定期的にファスティングをしてきているのですが、カラダは正直なもので前回ファスティングをしてから期間が経つと「あ、そろそろファスティングしなきゃ。」という合図をカラダが発信してくれます。
これは感覚的なものなので、言葉に表しにくいのですが(笑)
―圓尾式ミネラルファスティングのやり方を教えてください。
ファスティングの真の効果を得ようと思ったら、最低3日間が必要です。これはファスティングを始めて3日目からデトックス効果が起きることがわかっているからです。
しかし、3日間以上のファスティングは正しい方法で行わないと逆に健康を損なう結果にもなってしまうので、実践するときは専門家の指導の元で行うのが理想です。
ミネラルウォーターだけでファスティングをするという方法もありますが、水の中に含まれるミネラルは微々たるものです。きちんと十分な栄養をとれる方法で行わなければ、良い結果を期待することはできません。
実際に3日間の圓尾式ミネラルファスティングを行う場合
まずは、2日間の準備期間があります。お米と野菜中心の食事を摂ります。動物性のタンパク質はまったく摂りませんが、出汁などに入っているものはOKです。お酒とタバコはやめましょう(笑)
その後、3日間の断食がスタートです。
専用の酵素ドリンクやサプリメント、そしてお水やカフェインのない飲み物を摂って過ごします。酵素ドリンクは必ず摂るようにします。
6日目から、復食開始します。
消化の良い負担のない、おかゆや野菜スープなどから食べます。動物性のたんぱく質は控え、脂質も控えめにします。ダイエットが目的の方は糖質から摂ると体重が戻りやすくなるので野菜類から摂ることをおススメします。2日間かけて徐々に通常のお食事に戻していきます。
以上のように、合計で7日間かけてファスティングを終えます。
―ファスティングでなぜ、酵素ドリンクを飲むのですか?
実際にはファスティング中に酵素を摂るために「酵素ドリンク」を飲んでいるのではないのです。ファスティング中もビタミンやミネラルという栄養素が必要なので飲んでいます。体内の酵素はこの栄養素がないと働かないので、食べずに栄養素を摂るためにこのドリンクを飲んでいます。ファスティング中に消化酵素を休ませ、代謝酵素に働いてもらうためにはこの「酵素ドリンク」が必要です。
僕が使っている酵素ドリンクは無農薬の野草、野菜、果物を原料にエキスを1年半にわたって発酵させ、食物酵素の力で栄養素をすべて低分子化させています。細かくしているので体内に入ったとき、消化しなくて良いのです。
胃腸を休ませて栄養素だけ摂り入れることができます。実際には「食物酵素発酵液」ですね。酵素で発酵させたドリンク!
ファスティングはしっかりと必要な栄養素を摂りながら行っていかないと効果がありません。
-ファスティングがカラダに及ぼす害はありますか?
害はほぼ「ない」といってよいです。
ファスティングは科学的にすべてが解明されているわけではありません。たまに、頭が痛くなるとか、口内炎ができるなどの反応がでることがあります。個人の感覚でそれを「害」と捉えるかという判断になります。
これらはファスティングによる反応であってすぐに消えていきます。
コーヒー好きで毎日コーヒーを何杯も飲んでいる方がまったく摂らない期間ができると、カフェインがなくなることで血流がかわるのか、頭が痛くなる反応が出る場合があります。ファスティングは科学的にすべてが解明されていませんが・・・それは事前にしっかりと準備をすることで解決ができます。
また、やってはいけない人がいます。おススメできない方ですね。病気がある人、例えば糖尿病のある方。妊婦さんや授乳中の方!
ファスティングにはいろいろな方法があり、3日間のプログラムもあれば、5日間、7日間のプログラムで何も食べずに過ごすこともあります。
自己流や間違った方法で行うと体に負担がかかり危険ですので、必ず専門家の指導を受けることが大切です。
圓尾さんのブログやYoutubeはオススメです。定期的にファスティング指導の募集もしていますのでチェックしてみてください。
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