【インタビュー】ガンと闘うプロレスラー垣原賢人とミヤマ仮面

  1. ライフスタイル

プロレスラー垣原賢人さんが、首の怪我で引退を余儀なくされた後の仕事は、なんと昆虫のクワガタをターゲットにした、クワガタのプロレス「クワレス」だ。自らも昆虫ヒーローの「ミヤマ仮面」となり、日本全国で大人気のイベントを開催している。また、家族の絆も強く、イベントも家族で立ち上げ運営している。そんな中、2014年に悪性リンパ腫が発覚。闘病の末、家族の待つイベントに復帰、さらにプロレスラーとしてリングへの復帰を果たした。そんな垣原さんに、コロナウイルスの影響の中、現在の状況を語ってもらった。

 

新日本プロレスと全日本プロレス

「ご縁があって、両団体のリングに上がる事ができました。

新日本プロレスと全日本プロレスの面白い違いがあるのですが、新日本はヒンズースクワットを練習初めに行い、全日本は練習の最後に行っていました(笑)。

水と油のように、猪木さんと馬場さんの考え方の違いがよく分かるエピソードでした。

ジャイアント馬場さんとの試合も思い出深いです。馬場さんの必殺技はすごいですよ。16文キックも脳天唐竹割り(馬場チョップ)もどれも凄いです(笑)。実は僕の格闘技人生の中で、ダメージを受けた技の3本の指に入るのが、馬場チョップなんです!これがめちゃくちゃ痛い!!馬場さんの動きはスローに見えて、技を受けてもあまり痛そうに見えなじゃないですか。僕も正直、試合やる前まで舐めていたのですが、馬場チョップを受けたら悶絶しましたよ(笑)。目から火が出ました!

UWFから始まった格闘技人生も、最後は新日本プロレスで幕を閉じることが出来ましたが、現在は限定でリングに復帰しています。」

 

クワレス

「コロナの影響で、イベントは自粛中です。大人しくしています(笑)。

2006年、首の怪我でプロレスからの引退を余儀なくされました。その後、何をやろうか、何が出来るか、と考えていました。思い付いたのが、幼少の時から好きだったクワガタムシで何か仕事が出来ないかと。自分はプロレスが出来なくなった今、昆虫にプロレスをやらしてしみたらどうか。そんな思いを込めて、クワガタのレスリング『クワレス』を立ち上げました。自分も昆虫キャラクター『ミヤマ仮面』として活動しています。」

https://www.kakiharafamily.com/

 

 

リング

本物のクワガタ同士が戦いますので、当然プロレスの様にリングが必要になります。そのため、物凄く希少価値が高い特製の台場クヌギを使って、クワガタ用のミニチュアの公式リングを、九州の台場クヌギの職人に作ってもらいました。凄く格好良いリングですし、プロレスのリングを彷彿させる出来栄えとなっています。このリングの中で、クワガタが熱いバトルを繰り広げます。

当然、クワガタ同士の戦いのなので、クワガタをファイターとして育てています。イベント時に、子供達にも一目見て分かりやすい様に、戦う構図を日本対世界という、プロレスと同じ形に虫の世界でも演出しています(笑)。

例えば、日本のクワガタのエースは黒いダイヤと言われているオオクワガタです。世界ではインドネシアやフィリピンに大きなマッチョなクワガタがいまして、そこを戦わせる事により、子供達に応援し易い様に演出しています。」

 

日本全国でのイベント

「イベント活動も15年目に入り、回数も1000回を超え、日本全国キャンピングカーで移動し開催しています。本物のプロレスの様に、ファイターのクワガタ達をキャンピングカーに積んでの巡業ですね(笑)。僕は運転手です(笑)。クワガタを何十匹もケースに入れ、キャンピングカー内でちゃんとした温度管理もして、大切に扱い、試合に向けて調整しています。クワガタの方が、人間よりも良い環境で暮らしています(笑)。

プロレスには熱い実況が付き物ですよね。80年代のプロレスには熱い実況の古舘伊知郎さんがいて、ファンを沸かせました。イベントでは、私がミヤマ仮面となりクワレスの実況中継をし、本物のゴングを打ち鳴らし、子供達を盛り上げています。子供の頃からプロレスが好きで、TVで観ていた古舘さんの熱い語りをモノマネしていましたので、結構、実況は得意かもしれません(笑)。」

 

戦うクワガタ

「クワガタの寿命は種類によりますが、オオクワガタやヒラタクワガタは越冬しますので数年生きます。オオクワガタは大事に飼育すれば、5年から7年生きたケースもあります。小動物ぐらいの寿命がありますよ。

クワレスの試合時間は、クワガタは体が小さく消耗も激しいので、10秒1本勝負とで短いです。それでも、ファイターとして育て訓練しているクワガタでも、かなりハードです。ケガの防止を含め、選手(クワガタ)の数を増やし、試合の連投がないようにし、少しでも負担を少なくし、調整してマッチメイクします。本当のプロレスだと1時間1本勝負ですが(笑)。

去年は目標としていた東京国際ファーラムで、クワレスのイベントを開催する事が出来ました。凄いでしょ(笑)。子供達も数百人参加してくれました。この模様はYouTubeにもUPしています。

https://www.youtube.com/watch?v=3CWB1kMa_mg

をご覧ください。」

 

 

クワガタ採集ちゃんねる

「イベントは春夏がメインで、年間60~70本ぐらいあります。有難い事に全国各地からオファーを頂き、本当に感謝しています。イベント以外にも活動をしており、クワガタの採集風景など撮って動画で配信しています。その模様はYouTubeの『クワガタ採集ちゃんねる』で見ることが出来ます。

https://www.youtube.com/channel/UCSEIlrDRX3ts2MrWUPOwSzQ

日本には46種類のクワガタが生息し、標高1000mを超える高山種や、豆粒ぐらいのクワガタもいます。いろいろな種類がいるだけ採取の方法も多岐にわたりますし、夏だけでなく、秋冬でも種類によっては採集出来ます。非常にマニアックですね(笑)。」

 

虫育

「虫文化の復活、と言いますか『虫採り』をもう一度普及させたいですね。YouTubeで配信している『クワガタ採集ちゃんねる』を全国のちびっ子達に観てもらって、家の近くの公園や里山で、もっと虫に親しんでもらいたと思います。自分達の子供の頃は、夏休みの自由研究で虫の採集をして標本作りなどしていました。今は標本作りの自由研究もないですし、虫に触れない子が増えています。日本が世界に誇る虫文化を残していくためにも、子どの達に虫と触れ合って欲しいし、虫を育ててもらいたいと思います。これを我々は『虫育(むしいく)』と呼んでいます。昆虫は命の大切さを学べる生きた教材です。」

 

垣原賢人(かきはら まさひと)プロフィール

1972年、愛媛県出身。プロレスラー UWFにてデビュー。その後、UWFインターナショナル、全日本プロレス、新日本プロレスなどで活躍。2006年、怪我による引退後は昆虫キャラクター『ミヤマ仮面』として環境保全を子どもたちに伝える昆虫イベントを展開。2014年に悪性リンパ腫に罹患し闘病生活に入る。2017年8月、藤原喜明を相手に電撃復帰を果たした。2018年1月4日、新日本プロレスの東京ドーム大会のバトルロイヤルで優勝。同年8月、鈴木みのるとメインイベントで対戦。

主な経歴

  • 1990年 「UWF」横浜アリーナ大会でプロデビュー。
  • 1995年 両国国技館のメインで、高田延彦選手と対戦。
  • 同年10月 東京ドームにて佐々木健介選手と対戦し、白星を飾る。
  • 1996年1月4日 東京ドームで目標だった長州力選手とシングルで対戦。
  • 1998年 スタンハンセン選手とタッグで激突。
  • 同年11月 6人タッグマッチにて、ジャイアント馬場選手と初対戦。

【獲得タイトル】
第69代アジアタッグ王者
第11代WAR認定世界6人タッグ王者
ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア X 優勝

 

Mr.Kosei

スポーツをこよなく愛す、謎の格闘家。歌って喋れて戦える、をモットーに日々精進して生活しています。

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