サントリーサンゴリアス 長友泰憲インタビュー

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トップリーグ奪還を狙うサンゴリアスの支え役 長友泰憲

Photo by AKI NAGAO

ラグビートップリーグ 強豪サントリーサンゴリアスのウイングを背負い、2008~2019年までの11シーズンを戦い抜いた長友泰憲。引退後はチームスタッフとして残り、広報 兼 普及担当として、イベントやチームのPR活動に従事しチームを支えている。選手からチームスタッフへ。現在の長友さんの活動について話を聞いてみた。

 

長友泰憲(ながとも やすのり)プロフィール
所属チーム サントリーサンゴリアス(2008〜2019年)
ポジション ウイング
1985年5月3日 生まれ
出身地 宮崎県
出身校 高鍋高校 中央大学
代表歴 日本代表 7人制日本代表

 

広報 兼 普及担当

「昨シーズンまで現役でしたが、引退した今シーズンからサンゴリアスの広報  兼 普及担当として活動しています。仕事内容は、チームのPR活動やイベントでの選手の手配、また子供達へのタグラグビーやラグビー体験、指導を担当させて頂いています。今はコロナウイルスの影響でイベントも中止になり開催できない状況です。それまでは、土日もイベントが続き休みを取れない状況でした。ワールドカップのお陰でラグビー人気が上がり、多方面から依頼も来るようになりました。本当に有難かったですね。」

在宅中

「コロナウイルスの影響で、トップリーグが6試合で中止になってしまい、現在チームはオフ期間に入っています。グランドとクラブハウスも使用禁止になっていますので、選手は在宅で個人トレーニングをしている状況です。僕は重要な用事がある場合はクラブハウスに行きますが、今は在宅で作業している状況です。

外に行く機会が少ないですが、個人的にはオンとオフの区別をしっかり分けています。家にいる時は髪型も普通にしていますが、外に行く時は髪型もビシッとセットして行きます(笑)。背筋もピシッとしますし、マインドも変わりますよね。まさに戦闘態勢に入るような(笑)。」

トップリーグ

「今シーズンはワールドカップの開催があり、トップリーグの開幕(2020年1月)が平年より遅くなりました。また新しく監督が変わり、RWC2019メンバーも合流したばかりという事もあって、当初はスタッフ、選手共に新たな方向性を見出すのに探り探りの状態で、不安要素が多かったのではないかと思います。開幕直後は、良い試合運びを出来なかった事もありましたが、試合を重ねる度に、監督、選手同士のコミュニケーションも徐々に噛み合い、少しずつ目指したい形になってきたと思います。トップリーグ後半の3試合は、それが随所に体現出来たのではないかと思っています。」

新監督

「監督のミルトン・ヘイング(ジョージア代表を率いて2大会ワールドカップに出場した名将)が就任したのがワールドカップ終了後だったので、トップリーグ開幕まで時間が少なく、選手達も監督とうまくコミュニケーションを取れていない状況でした。試行錯誤しながらチームを作っていっている形でした。

これまでのサンゴリアスを指導してきた監督と違い、常にフランクな方です(笑)。前監督の沢木敬介さんは厳しく、そして戦術の凄く細部まで指導する方でしたが、ミルトン・ヘイングはまた違った感じで指導される方でした。」

スタッフ

「コーチ陣も外部からの方を増やしました。チーム環境が変わることで、選手達は新鮮な気持ちになれますし、戦術も変わってくるので、新しいチームを作っていく上では新たなアクセントとなって、良かったのではないかと思います。

チームのディレクターオブラグビーに元日本代表監督のエディー・ジョーンズ(オーストラリア出身の名将)さんを招きました。ワールドカップ後もイングランド代表の監督を続けているので、なかなか来日される事が難しいのですが、選手に直接指導にあたるのではなく、スタッフ等に対しての指導がメインになってくると思います。

元オーストラリア代表でサンゴリアスでも活躍した、ジョージ・スミスもコーチングスタッフに入りました。現役の時は素晴らしいジャッカル(タックルされた直後に相手が持つボールに絡み奪う事)をするプレーヤーで、頼りになる選手でした。ジョージ・スミスの愛称が『ジャッカル』だった事で、このプレーに『ジャッカル』という名前が付きました。ディフェンスコーチでの就任でしたが、初めてのコーチ経験ということもあり、本人も試行錯誤しながらのコーチングだったと思います。オーストラリア代表で一緒にプレーしていたマット・ギタウ(オーストラリア代表103試合の名選手)に、上手くいかないところはコミュニケーションを取り解決していました。

チームには、オーストラリア出身の選手が多いですね。マット・ギタウみたいなスーパースターも在籍しています。エディー・ジョーンズがサンゴリアスで監督(2009~2011年に在籍)をやっていた時の経緯もあります。オーストラリアの選手は常に100%で練習に取り組みます。日本人選手達も凄く刺激を受けています。」

ラグビーワールドカップ2019

「日本でのワールドカップ開催は大丈夫か、と言われていましたが、たくさんの外国の方が来日し、日本のファンの方達もそれに感化され影響を受けた方も、多くいらっしゃったと思います。ファンもそうですが、日本代表の熱い試合の相乗効果があり、日本中でワールドカップは凄く盛り上がったと感じました。熊本での試合も普及活動で行きましたが、熱量凄かったですよ。」

来季の目標

「来季はトップリーグで優勝する事が一番の目標です。サンゴリアスの強さを前面に出して行きたいですね。昨年度は、トップリーグ三連覇をする事が出来ませんでした。三連覇しているチームはまだないのですが、非常に難しいですね。優勝チームは各チームからターゲットにされますし、研究もされます。いかに新しいシステムを導入し自分達のものにしていくかが、凄く大事になってきます。勝ち続けるためには、同じスタイルを貫くのは難しく、そのチームスタイルに新しくプラスαの部分を入れていかないと、チームは勝てないという事を、三連覇をかけた戦いの中で学びました。監督にミルトン・ヘイングを起用した意味合いも、そこにあります。

エディー・ジョーンズさんの時は相手にボールを与えずに、ボールを繋ぐというスタイルでした。前監督の沢木さんの時は、空いているスペースにボールを運んでいくスタイルが明確にありました。ミルトン・ヘイングは外のスペースを最大限に活かしながら、オフロードパス(タックルされながらボールを繋いでいくパス)をどんどん使用していくスタイルです。現在のラグビーは、ディフェンスがシステム化されていて、ディフェンスラインを突破し辛くなっていますので、戦術も進化していかないといけません。

個人的にはもっとサンゴリアスのファン層を広げたいと思っています。地域貢献を行うことも大切ですし、SNSを活用して発信することも大事です。もっとサンゴリアスを知ってもらいたいですね。代表選手だけでなく、いろいろな選手を知ってもらい、身近に感じて頂きたいです。来季はもっと選手の良さを引き出して行きたいと思っています。」

Photo by AKI NAGAO
TL10vs近泰憲鉄@熊本

Photo by AKI NAGAO
カップ戦vsホンダ@秋田

 

Mr.Kosei

スポーツをこよなく愛す、謎の格闘家。歌って喋れて戦える、をモットーに日々精進して生活しています。

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