【インタビュー】今、注目のプラセンタ!美容だけではないプラセンタの秘密。

  1. ヘルス&ビューティ

近年、健康促進・維持や美容によいといわれ、注目のプラセンタ。プラセンタとはどんなものなのか?どんな症状に効くのか?知っているようであまり知らない、という方も多いはず。プラセンタを使用した治療法の第一人者で「一般財団法人 日本胎盤臨床医学会」理事長の長瀬眞彦先生に“美容だけではない、プラセンタの秘密”について独占インタビューです。

プラセンタとはなんですか?

プラセンタとは「胎盤」のことです。胎盤は胎児が母親のおなかの中で健やかに成長するために一時的につくられる「臓器」です。主に胎児に酸素や栄養を供給し、老廃物の除去を行う、といった役割を担っています。この胎盤の抽出エキスであるプラセンタを使用して行う治療を「プラセンタ療法」と言います。プラセンタは中国で「紫河車(しかしゃ)」という名前の漢方薬として、数千年前から使用されていました。肉体疲労やストレス疾患に効果があるのですよ。

プラセンタ療法とはどのような治療ですか??

プラセンタ療法は遺伝子素因と環境素因が互いに影響しあって形成される性質を改善する「体質改善」でもあり、一時的に症状を緩和させる場合もあります。アトピー性皮膚炎は体質改善をもって症状も改善する疾患なのですが、わたしのクリニックではプラセンタ療法によりアトピー性皮膚炎の症状が改善したという患者さんがたくさんいらっしゃいます。なぜ、改善したのか?残念ながら、わかっている部分はほんの一部にすぎません。しかし、体質改善ができたから改善したという可能性が考えられます。

プラセンタはその他にどんな症状や疾病に効果がありますか?

オールラウンドに効果を発揮する療法です。プラセンタを「美容」に効果を示すものと思っている方が多いようですね。楊貴妃や秦の始皇帝が美容や不老長寿のために用いた、という情報がたくさんありますから。まあ、それはあくまで伝説です(笑)。

効果は幅広く特に痛みを伴う疾患に有効的です。私のクリニックでも、肝機能障害や、肩こりや腰痛などの整形外科疾患、うつ病、更年期障害、アレルギー疾患に効果を示した症例が多数あります。私のクリニックでは、このような疾患の患者さんが西洋医学で治療したけれど、思うような効果がでなかった場合、次は漢方という東洋医学での治療を選択します。しかし、期待していた結果がでなかったらプラセンタ皮下注射に変更します。それでも、効果がでないとプラセンタツボ注射にうつる、という治療法になります。

プラセンタはなぜ色々な効果があるのですか?

プラセンタ療法の効果は科学的根拠がありますし、多くの研究もなされています。炎症を抑える作用や抗酸化作用、免疫力の向上作用が確認されています。このような薬理作用が総合的に働いての患者さんが「よくなった」という結果がでているのです。

更年期障害の症状で苦しんでいる患者さんも多くいらっしゃいます。更年期障害は交感神経(緊張させる神経)と副交感神経(リラックスさせる神経)のアンバランスによる自律神経の変調がかかわっている場合があります。肩こり、腰痛などの痛みや憂鬱感という症状が起こります。このような症状にはプラセンタの自律神経調整作用が効果的に働いて、そのアンバランスを改善してくれます。プラセンタ治療では、このような効果がでた症例が多数、存在しているのです。

プラセンタ注射の適量と回数を教えてください。

疾患によって異なりますが、一回の注射に用いる注射剤の量は2ml~20mlです。平均的な量は1回4ml~10mlといったところです。ちなみにプラセンタ注射は、更年期障害、乳汁分泌不全、肝機能障害の場合、1回に2mlまでと決められています。費用は保険適用でおおよそ1本300円程度です。回数は1~2週間に1回が平均的な回数です。患者さんによっては、1か月に1回でよい場合もありますね。これも疾患や症状の重症度によって異なります。

プラセンタ注射は感染症の恐れはないのですか?

プラセンタ注射は、ヒトの胎盤から抽出したエキスを原料としています。そのためウィルスや細菌が絶対に混入しないように胎盤を提供してくださる方の健康状態を入念にチェックします。集められた胎盤は専門機関で厳しい検査を受けます。

製薬工程は胎盤すべての血液を抜き取りその後、酸による加水分解でプラセンタ中のタンパク質をアミノ酸に分解し、そして最終滅菌(121℃ 30分間)するなどを経て徹底的に危険性を排除して治療薬になるのです。副作用はほとんどありませんが、プラセンタ注射を打った方は献血ができなくなりますね。

プラセンタ注射を打つとなぜ献血ができないのですか?

現時点では、プラセンタ注射によって、変異型クロイツフェルトヤコブ病(ヒト型の狂牛病)※注 に感染するリスクが0%とは言えないからです。プラセンタ治療によって変異型クロイツフェルトヤコブ病に感染してしまった方が献血したら、その血液によって輸血を受ける多くの方へ感染を広める危険性があります。しかしながら、胎盤が治療薬に代わる段階(製薬工程)で、感染に対する万全な安全対策が講じられてるのでプラセンタ注射による感染はないと思ってよいでしょう。

胎盤は国内の満期正常分娩した女性のものを使用します。狂牛病が流行った時期に、流行った地域への海外渡航歴がないこと、肝炎やエイズなどのウイルス感染のないことが証明されていることなど、万全なチェック体制のもとで管理されています。このことを考えると、感染リスクはほぼ、0%に近いとは言えるでしょう。

※注)進行性の精神機能の低下を特徴とし認知症、筋肉が不随意にビクッとふるえる動きや歩行時のよろめきなどの症状が現れます。汚染された牛肉を食べることで感染します。

どうすればプラセンタ治療を受けることができますか?

私のクリニックに診察に来ていただければ受けることができます。また、プラセンタ療法を行うクリニックを一般財団法人 日本胎盤臨床医学会のクリニック紹介リストでご案内しています。プラセンタ注射の製薬会社である、メルスモン製薬株式会社や日本生物製剤に電話でお問い合わせされてもよいでしょう。そちらからクリニックを選んで診察に行ってみてください。プラセンタ治療で「自分自身が変わる体験」を是非感じていただきたいと思います。

情報があふれている時代だからこそ正しい情報を知り、自分自身で「なにがよいのか」を選択して行動していくことが大切だと改めて実感いたしました。長瀬先生、本日はありがとうございました

プロフィール

長瀬眞彦(ながせまひこ)

吉祥寺中医クリニック 院長
日本東方医学会会長
一般財団法人 日本胎盤臨床医学会 理事長

TSUBAKI

東京出身。大手広告代理店で勤務の傍ら、東洋医学、薬膳を学ぶ。
料理教室・セミナー講師として活躍後、現在はオーガニックや厳選されたものを使ったライフスタイルやレシピの提案をしている。自然体で生きることが人生のモットー。

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